研究課題/領域番号 |
19K21809
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
森田 賢治 東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 准教授 (60446531)
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研究分担者 |
永瀬 麻子 鳥取大学, 医学部, 特別研究員(PD) (40826658)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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キーワード | 認知的負荷 / 身体的負荷 / 好き嫌い / 価値学習 |
研究実績の概要 |
数学が嫌いな人は、易課題よりも難課題を、より嫌うと思われる。一方、数学が好きな人は、難課題を厭わないどころか、「難しいほど燃え」さえするように思われる。好き・嫌いに関わらず、易課題と難課題とでは後者の方が認知的負荷は相対的に高い筈であるが、その選好が逆転しうる。以上のことは、認知的負荷を身体的負荷に置き換えれば、数学ではなく運動にも同様に当てはまるように思われる。さらに、いずれの場合も、好き・嫌いと得手・不得手は、少なからず相関はしても必ずしも一致はしないと思われる。最近、報酬・価値の評価や選好の脳基盤について、様々な種類の価値に、またヒトとヒト以外の動物にも、ある程度共通な機構が存在することが示唆されるなど、研究が著しく進展してきた。また、負荷は「負の価値」として処理されることを示唆するような結果も報告されてきた。しかし、個人によって負荷への選好がいかに逆転しうるか、そもそも負荷への選好がいかに形成されるかは分かっていない。本研究はそれらの脳基盤を探索することを目的とするものである。本年度は、まず、負荷を含む行動課題のデザインとして具体的にどのようなものを用いることが考えられるか検討・探索を行ってきた。また、負荷は強化学習理論の枠組みにおいてどのように捉え得るかについて、最近理論的研究も行われつつあるため、それらの調査も進め、それらも踏まえた実験ないし解析を行っていくことも視野に含めた検討を始めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
検討に時間を要したため実験開始が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
課題デザインを固め(新型コロナウイルスの状況を踏まえて安全が確保できると考えられるならば)実験を実施していく。元々は認知的負荷として数学に関わるものを考えていたが、数学の処理機構自体を調べることが目的ではないため、数学以外の認知的負荷(たとえば言語に関わるもの)なども含めて課題デザインを検討する。また、新型コロナウイルスの影響が長期化する可能性も考えられ、オンライン実験・調査、理論モデル・計算論的研究、メタ解析などについても検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
前述のように検討に時間を要し実験開始が遅れているため次年度使用額が生じた。実験実施(謝金・人件費を含め)・研究打ち合わせ・発表に関わる費用に使用していく予定だが、前述のようにオンライン実験・調査なども検討するため、そのための費用に使用することも考えられる。
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