本研究を通して、線条体の神経(間接路)の機能的異常を起こすことで意思決定異常を示すギャンブル障害モデル候補ラットの作成と、SARSA(λ)、時間差(TD)アルゴリズムを使用したモデル化と、シミュレーションプログラムを作成することができた。強迫障害患者や依存症患者は、習慣的システム優位に選択行動するというシステム間のバランス異常が生じていることが分かっているが、脳領域や神経回路の破綻が、精神疾患患者で見られる意思決定異常やシステム間のバランス異常を誘発するかどうかは分かっていない。それゆえ、本研究成果はこれら脳機能障害の解明に向けた実証モデルとして有効かもしれない。
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