母と子の結びつきである愛着「アタッチメント」の神経メカニズムや、アタッチメントスタイルの違いが子の社会性発達に及ぼす影響に関しては、これまでも多くの研究がある。本研究から、離乳時期に母と子が離れる「デタッチメント」の神経メカニズムの一端が初めて明らかとなった。今後本研究で確立した母マウスのデタッチメント行動の人為的操作法を用い、離乳時期に母から無視されて親離れする場合や、逆に母が子に過干渉な場合での子マウスの社会性発達を解析できれば、デタッチメントスタイルに起因すると考えられる子の社会性発達に関わる諸問題解決の糸口となることが期待される。
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