| 研究課題/領域番号 |
19K21834
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| 研究機関 | 京都大学 |
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研究代表者 |
矢野 孝次 京都大学, 理学研究科, 准教授 (80467646)
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| 研究分担者 |
佐藤 譲 北海道大学, 電子科学研究所, 准教授 (30342794)
角 大輝 京都大学, 人間・環境学研究科, 教授 (40313324)
中野 雄史 東海大学, 理学部, 講師 (50778313)
中村 文彦 北見工業大学, 工学部, 准教授 (40825147)
豊川 永喜 九州大学, マス・フォア・インダストリ研究所, 助教 (30907762)
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| 研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2023-03-31
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| キーワード | ランダム力学系 / 確率過程論 / 一般化逆正弦法則 / 情報系分解 / 雑音誘起現象 |
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| 研究実績の概要 |
一般化逆正弦法則の発展的問題として，区間写像のランダム選択による力学系に対する一般化逆正弦法則を研究中である．院生だった秦との共同研究で，二つの吸引的区間写像のランダム選択力学系で平均的に中立な不動点を持つものを研究し，ブール変換の逆正弦法則と類似の結果を得ているが，その内容を論文にまとめて投稿するとともに，カナダ数学会会合における力学系・エルゴードセッションでの招待講演をはじめ，いくつかの研究集会で口頭発表を行った．また，分担者の中野（東海大），中村（北見工大），豊川（九州大）との共同研究により，もっと複雑な区間写像のランダム選択力学系に対する逆正弦法則の結果を得ることができ，投稿に向けて論文を準備中である．
作用発展に対する情報系分解問題について，伊藤（京産大）および分担者の世良(大阪大)との共同研究で，有限状態空間のランダム写像反復モデルに対する情報系分解問題を完全解決したが，この結果に関する投稿論文についての査読報告を受け，論文を大幅に改良することができた．また，この研究において用いたポーランド半群上の無限畳み込み積に関する理論を論文にまとめ，雑誌に投稿して掲載された．この論文においては，局所コンパクト半群に対してしか証明が与えられていなかった結果をポーランド半群に拡張しており，フラクタルを生成する写像のランダム選択力学系やマルコフ分割が対応するランダム写像選択力学系へ展開する道を拓くことができた．
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
一般化逆正弦法則の研究発展として，区間写像のランダム選択による力学系に対する一般化逆正弦法則の研究が進んだ．また，作用発展に対する情報系分解問題についての拡張研究も順調に進行している．以上のことから，本研究は順調に進展していると言える．
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| 今後の研究の推進方策 |
区間写像のランダム選択による力学系に対する一般化逆正弦法則の研究をさらに進める．特に，世良との共同研究で位置依存の場合への拡張の研究について，斜積の方法を改良することにより，研究の進展をはかる．また，中野，中村，豊川との共同研究による，もっと複雑な区間写像のランダム選択力学系の研究について，位置依存の場合の考察を進める．
作用発展に対する情報系分解問題について，伊藤および世良との共同研究で，無限状態空間のランダム写像反復モデルに対する拡張の研究を進展させる．特にその応用として，フラクタルを生成する写像のランダム選択力学系に対する情報系分解問題の研究を進めるべく，いくつかの具体例を詳しく調べる．
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| 次年度使用額が生じた理由 |
国内外の研究者を招聘して研究打合せを行う計画，および県外のいくつかの研究集会に出張することを計画していたが，新型コロナウイルス蔓延の状況が生じたため計画が立ち消えとなり，未使用額が生じた．新型コロナウイルスの影響が無くなることを前提としてであるが，研究打合せのための研究者招聘旅費，および国内外の出張旅費に充当することとしたい．
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