一様双曲性を持たないエノン写像の解析に端を発した本研究であったが、本研究期間内では、エノン写像自体の研究よりもむしろ、その周辺の他の重要な力学系の研究に大きな進展があった。これらの成果はそれ自体で意義が深いだけでなく、今後にエノン写像の力学系の解析を進める上で重要な手がかりを与えることになると期待される。また、本研究費を用いて2023年8月主催した国際研究集会「KiPAS Dynamics Days」では国内外から述べ100名以上の参加があった。本研究集会に参加した若手研究者と海外の研究者の間での共同研究も始まりつつあり、我が国の力学系理論のレベルアップに貢献できた意義は大きい。
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