本研究課題では、これまでスピントロニクスになかった「スピンフィルタ機能」を、グラフェン1次元鎖(ナノリボン)で実現することを目的とした。端がジグザグ型の場合、両端でスピン偏極するため、これを利用することでスピンフィルタの機能を付与できる。まず、酸素及び水素プラズマをグラフェンに照射することで、ジグザグ端ナノリボンの作製を目指したが、高分解能原子間力顕微鏡を用いないと、グラフェンの端状態を確かめられないことが分かった。そこで、グラフェン全体に電極を取り付けて磁気輸送測定行ったところ、プラズマ照射時間の増加とともに、弱局在効果によるゼロ磁場付近の磁気抵抗増大が観測された。
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