本研究は、放射性炭素年代測定に供する試料の量を既存の千分の一にする超微量測定法の確立を目的とした。年代測定の超微量化には、超微量試料に適した化学処理や加速器質量分析法(AMS)を最適化し、実試料への応用を試行しながら技術評価が必要であった。本研究では、超微量試料に適した試料調製システムのやAMSオペレート法を確立し、AMS標準物質や水月湖の湖底堆積物を用いた試験測定を実施した。本研究により、超微量測定では、およそ三万年前までの年代を精度よく調べられることが実証され、少なくとも20μg炭素量あれば、過去二万年前までの年代測定で十分に実用化可能であることが示された。
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