研究課題/領域番号 |
19K21895
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分17:地球惑星科学およびその関連分野
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
小林 憲正 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 名誉教授 (20183808)
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研究分担者 |
三田 肇 福岡工業大学, 工学部, 教授 (00282301)
癸生川 陽子 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 准教授 (70725374)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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キーワード | 生命の起源 / がらくたワールド / アミノ酸前駆体 / 触媒機能 / 宇宙線 / 宇宙実験 / 地球外生命探査 |
研究成果の概要 |
従来の化学進化仮説においては小分子から徐々に大きい分子が生成するとされてきた。本研究では,宇宙線などによりまず高分子態有機物(がらくた分子)が生じ,これが有する微弱な生化学的機能が進化することにより生命が誕生したとする「がらくたワールド説」の検証を行った。分子雲を模擬した実験により分子量数百から数千の高分子態有機物(がらくた分子)が生成した。がらくた分子はアミノ酸前駆体を含み,また宇宙環境で安定であることが室内実験・宇宙実験でわかった。がらくた分子は微弱ながらエステラーゼ活性を有した。がらくたワールドのさらなる検証のためには,太陽系天体の探査が必要であり,その方法も考察した。
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自由記述の分野 |
アストロバイオロジー
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
生命の起源研究は,オパーリンらによる化学進化仮説が有力で,1950年代以降は実験による検証も多数行われてきた。それらの前提として,まずは小分子が生成し,それらが徐々に繋がって大きい分子になったとする段階的生成説が主流であった。本研究において,高エネルギー粒子線が小分子に作用した場合に,分子量数千の有機分子が生成し,その中にアミノ酸前駆体や触媒機能を有する分子が含まれていることが証明された。このような高分子態有機物(がらくた分子)を経由する生命起源説はこれまでなく,生命起源研究にあらたな方向を示すものといえる。
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