研究課題
本研究では三次元網目構造を有する高強度のゲルを作製し、さらに加熱乾燥により水素再結合を起こさせ、配向度を自由に制御できる網目構造の疑似生体組織のバイオマテリアルを開発する。異方性を活かした様々な内部構造と力学特性を有するハイドロゲルの最適な創製条件を明らかにするとともに、バイオセンサ、生物学、組織工学などの新たな学術分野を開拓するために重要な材料創出理論を提供する。本年度はカルボキシメチルセルロース(CMC)/ポリアクリルアミド(PAA)ハイドロゲルを引張固定し,60°Cで乾燥させることでゲルを形状固定させ異方性を持たせ,その延伸加工したハイドロゲルの力学特性と微細構造に及ぼす形状固定温度の影響を調べた.力学特性の結果から引張強度の差は形状固定温度増大に伴い,増加した.値は75°Cで最大値をとり,105°C以降で大きく低下していることがわかった.また内部構造の結果からゲルは形状固定温度増大に伴い細孔が収縮しており,延伸方向と垂直の方向では細孔が延伸により変形している様子が確認できた.得られた結果から本実験において最も異方性を付与できる温度は75°Cであるとわかった.
すべて 2022 2021
すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 2件、 査読あり 3件) 学会発表 (1件)
Colloids and Surfaces A: Physicochemical and Engineering Aspects
巻: 632 ページ: 127793~127793
10.1016/j.colsurfa.2021.127793
International Journal of Biological Macromolecules
巻: 188 ページ: 534~541
10.1016/j.ijbiomac.2021.08.060
Cellulose
巻: 28 ページ: 4253~4265
10.1007/s10570-021-03800-2