撥水領域と親水領域を併せ持つ複合濡れ性ラチェット上の液滴推進特性を実験的に調べ,液滴径が小さいほど加速度が増加することを示した。また,ラチェット温度150 ℃で加速度および登坂可能傾斜角度が最大となることを明らかにした。最大登坂可能角度を予測するモデル解析結果と実験結果が概ね一致したことから,核沸騰による推進力がピニング力と重力に勝ることで液滴が登坂することを示した。核沸騰による液滴推進では加熱面が非対称な濡れ性を持つことが重要であることがわかった。ハイブリッド濡れ性ラチェットにおける液滴推進力は,親水領域に形成される気泡の膨張・収縮運動が誘起する液滴内部流動が作りだすことを明らかにした。
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