100 nm空間を利用するナノ流体工学が進展し化学分析法の超高性能化が実現しつつある。一方、同スケールの細胞・小胞は既存の化学の方法ではできない多種多様な機能を有しており、構成要素である細胞膜は様々な分子の超高選択的輸送や濃度勾配を逆行する能動輸送など特異的な役割を担う。そこで、細胞膜をナノ流路に組込んだ新しい機能デバイスの創製に向けて、本研究では独自のナノ空間混相流体制御技術を活用した脂質二重膜組込法を開発した。部分疎水修飾したナノ流路を用いることで安定な平行二相流操作を実現し、これを用いることで2本の並行する深さ4000 nmの流路の境界に脂質二重膜を形成することに初めて成功した。
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