研究課題/領域番号 |
19K21936
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
元祐 昌廣 東京理科大学, 工学部機械工学科, 准教授 (80434033)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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キーワード | 微粒子 / コーヒーリング効果 / アクティブ粒子集積 / 界面 |
研究実績の概要 |
本研究は,液滴表面の気液界面流動と蒸発流束を光照射によってコントロールすることで,より能動的にコロイド粒子の集積パターンを制御する,より局所的かつアクティブな,新規粒子集積技術を開発することを目的としている. 2年目は,光変調素子を用いて点形状以外の集光パターンでの光照射を行うことができる光学システムの構築を行った.また,直径30nmのポリスチレン微粒子を含んだコロイド溶液に,流動可視化用に直径500 nmの蛍光粒子を極微量添加して,レーザ 光を中心に照射して,乾燥過程の,特に固体基板直上の流動を可視化したところ,液滴の中央部へとナノ粒子が集積される中で,円形のよどみ領域を境として,中央部へと向かう内向きの流れと外縁部へと向う外向きの流れが存在することを明らかにした. 後述する理由により実験の進行速度が遅くなったため,当初は本年度が最終年度ではあったが,1年期間を延長することとして,数理モデルを用いた考察は次年度に行うこととした.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
基板直上の流動計測を行いつつ,蒸発流束とマランゴニ対流の影響を考慮する数理モデルを検討する予定であったが,新型コロナウイルス感染症拡大防止のために大学への入構禁止期間があり,その後も入構制限があったため,実験の進行速度が遅くなった.
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今後の研究の推進方策 |
流動可視化により液滴中に内向き,外向きの流れが存在することがわかったので,数理モデルを検討する際に,この逆向きの流れの存在を拠り所としてその妥当性を評価することで,粒子集積の支配的因子を限定していくことで,当初の目的を達成する.
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症拡大防止のための入構制限などにより,実験進行速度が遅くなったため,研究期間を延長することとした.次年度は,特に実施が難しかった微細加工などに主に使用する予定である.
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