本研究は,液滴表面の気液界面流動と蒸発流束を光照射によってコントロールすることで,より能動的にコロイド粒子の集積パターンを制御する,より局所的かつアクティブな,新規粒子集積技術を開発することを目的としている. 本来の研究期間は2年間であったが,新型コロナのために2020年度に入構禁止期間があり,その後も制限があったため,当初予定していた計画を1年間延期して2021年度も研究を実施した.その結果,レーザ光照射下での液滴の乾燥過程のよどみ領域の変化について,表面張力勾配に起因するマランゴニ対流よりは蒸発部分への連続体としての流入が支配的になっていることを,数理モデルを構築して簡易数値計算を実施することにより確認した.そして,コロイド粒子の集積について,光照射部分にのみ粒子を堆積でき,直径2mmの液滴中のほとんどの粒子を0.1mm領域に集めるようなコントロールが可能であることを示した.
|