研究課題/領域番号 |
19K21940
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
小俣 透 東京工業大学, 工学院, 教授 (10262312)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2023-03-31
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キーワード | 知能機械 |
研究実績の概要 |
ワイヤ駆動2自由度鉗子(グリッパを含めれば3自由度)を対象として,ワイヤの弦振動を用いた力センシング法を組み込み,力計測をすることに取り組んだ.まず鉗子の外径を8 mmとし,手術ロボットda Vinciに採用されている鉗子の構造を参考にし,それに弦振動を用いた力センシングを組み込んだ鉗子を開発した.前年度に開発した装置では鉗子関節部の摩擦が大きかったので,それを低減するよう再設計した.また,力計測を行うためには,あらかじめ外力と発生する音の周波数の関係を求めておくキャリブレーションが必要である.鉗子シャフト部にたわみが生じると誤差要因になるので,たわみが生じても高精度な力計測が得られるキャリブレーション方法を考案した. 外径5 mmのワイヤ駆動2自由度鉗子を対象として,ワイヤの弦振動を用いた力センシング法を組み込むことにも取り組んだ.外径が5 mmの場合,プーリを用いた関節構造では製作が難しく摩擦も大きくなるため,柔軟要素による関節を採用することとした.この場合,ワイヤの張力が小さくなることがあり,それが小さすぎると,弦振動が不安定になるという問題が発生するため,この問題を解決した弦振動発生方法を前年度までに考案していた.今年度は,これらを製作し外径5 mmのワイヤ駆動2自由度鉗子を開発した.開発した装置を用いて外力計測が行えることを確認した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
外径が8 mmと5 mmの鉗子ともに,ワイヤの弦振動を用いた力センシング法を組み込んだ鉗子の設計方法を確立し,装置を開発することができた.開発した装置を用いて外力計測が行えることを確認した.これらにより,おおむね順調に進展していると判断する.
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今後の研究の推進方策 |
誤差要因を分析し,装置のさらなる改良やキャリブレーション方法の工夫等により,計測精度を向上させる.また,鉗子の実際の使用状況を考慮して,力計測実験を行う.
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次年度使用額が生じた理由 |
これまでに基本的な結果は得られたが,さらによい結果を得るために研究期間を延長した.装置の改良,成果発表に予算を使う.
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