研究課題
挑戦的研究(萌芽)
本研究では中心対称性の破れた2次元材料の特性である圧電性を有するSnSを研究対象とした.成長中の原料供給と結晶表面からのSnS脱離のバランスを制御することで,マイカ基板上に0.8 nm厚さの単層SnSの成長に成功した.また.ひずみ印加機構を構築し,SnSの電気特性におけるひずみ応答から圧抵抗効果を検証した.圧縮および引張に対して抵抗値の減少と増加がそれぞれ観察され,圧抵抗効果を観測した.
半導体デバイス工学
今回,新規圧電・強誘電材料である単層SnSのPVD成長及びその圧抵抗効果の計測等を行った.これまで物性に関する理論予測しかなく単層成長は報告されていなかった状況において,圧電・強誘電特性を評価できた点は,学術的に意義が高い.社会実装まで大きな隔たりがあるものの,既存の圧電材料では困難であった環境発電によるIoTデバイス動作を達成できる可能性がある本提案は,実現すれば社会へのインパクトは非常に大きい.