現代のエレクトロニクスにおいては、素子の内部で発生する熱が、素子の動作や信頼性に大きな影響を与え始めている。従って、素子の高効率な冷却技術は、エレクトロニクスの発展の鍵を握る技術と言っても過言ではない。特に、個々のデバイスやLSIチップで高温になっている部分を効率よく冷却する固体デバイス技術が早急に求められている。 本研究では半導体へテロ構造のバンド構造を適切に設計し、熱電子放出と共鳴トンネル効果を同時に制御して実現できる熱電子放出冷却技術に注目して研究を行い、それに対する新しい理論(解析的理論および数値計算)を構築するとともに、素子構造の最適化や多層化による冷却パワーの増大の提案を行った。
|