本研究はピコ秒オーダーの超高速磁化制御法を実現するために強磁性半導体の低次元構造においてキャリア波動関数を高速に制御する新しい方法を提案し、その原理実証に成功した。実験ではポンプアンドプローブ法を用いてN型強磁性半導体(In,Fe)Asの量子井戸構造にポンプ光のfsパルスの照射による波動関数の変化が600fsという超高速の磁化増大過程を誘起した。更に強磁性半導体の低次元構造としてFeドープ強磁性超格子、強磁性量子ドット材料の研究開発を行い、提案した超高速磁化制御法の応用可能な材料系を広範囲に調べた。本成果で世界最速の磁化増大が実現でき、次世代の超高速低消費スピンデバイスに繋がると期待される。
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