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2019 年度 実施状況報告書

高速な磁化反転を示す磁性線を受電コイルのコアに用いたワイヤレス給電の実現

研究課題

研究課題/領域番号 19K21965
研究機関横浜国立大学

研究代表者

竹村 泰司  横浜国立大学, 大学院工学研究院, 教授 (30251763)

研究分担者 山田 努  横浜国立大学, 大学院工学研究院, 助手 (70251767)
研究期間 (年度) 2019-06-28 – 2021-03-31
キーワードWiegandワイヤ / FeCoVワイヤ / ワイヤレス給電
研究実績の概要

(1)Wiegandワイヤを用いた測定
線径0.25 mm、10-13 mm長のWiegandワイヤを使用した。ワイヤ周囲に2,000ターンの検出コイル(受電コイル)を設置した。実用上、Wiegandワイヤに磁界を印加するためには励磁用マグネットを用いる。このときWiegandワイヤの全体に一様な磁界強度が印加されずに、ワイヤ線長方向に強度の空間分布のある磁界が印加される。そこで部分励磁したWiegandワイヤの磁化過程評価を行い、その磁化反転の起点及び磁壁移動を明らかにすることができた(日本磁気学会学術講演会、25pD-7)。
ワイヤレス給電については、体内インプラントを想定したWiegandワイヤ及び受電コイルを試作し、また体外から体内深部へ交流磁界を印加することを前提とした磁界強度・周波数の制限内で実験を行った。受電コイルに従来用いられている高透磁率フェライトをコアとした場合と比較することによりWiegandワイヤの特徴、利点を顕在化させることができた。特にWiegandワイヤにおけるヒステリシス損失を初めて定量評価することに成功し、ワイヤレス給電における発電効率を明らかにした(同学会、25pE-4)。またその研究結果に基づき、1 kHzという低周波でも100 uW級の小型ワイヤレス給電が可能であることを実証した(同学会、25pD-4)。
(2)ワイヤレス給電及び振動発電への応用における回路設計・試作
具体的な応用事例に対してどのような整流回路と蓄電回路を利用するかは極めて重要な課題である。Wiegandセンサ並びにそれが発生するパルス電圧を回路シミュレーションで模擬するための、素子構成と等価電源を決定することができた。これにより汎用性の高い回路シミュレーターで回路設計をすることが可能になった(同学会、25pD-3)。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

「補助事業期間中の研究実施計画」に当初記載した研究実施計画1、及び2に対して、計画1は完了しており、「研究実績の概要」に記載のとおり成果が得られた。計画2についても受電コイルに発生する単一のパルス電圧を電源とする回路設計、並びに回路シミュレーションに既に着手しているため。

今後の研究の推進方策

研究実施計画2に従い、パルス電圧を高効率にエネルギーとして取り出す回路を設計・試作するとともに、低速かつ微小な単一のイベント(動作)でも作動、機能する新規用途を開拓する。

次年度使用額が生じた理由

購入した消耗品において、当初見積もり額よりも安価で入手できたため。令和2年度に測定試料を保持する治具の購入に充てる。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2020 2019 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件) 備考 (1件)

  • [国際共同研究] Nanjing Institute of Industry Technology(中国)

    • 国名
      中国
    • 外国機関名
      Nanjing Institute of Industry Technology
  • [雑誌論文] Improvement of pulse voltage generated by Wiegand sensor through magnetic-flux guidance2020

    • 著者名/発表者名
      Chao Yang, Takafumi Sakai, Tsutomu Yamada, Zenglu Song, Yasushi Takemura
    • 雑誌名

      Sensors

      巻: 20(5) ページ: 1408

    • DOI

      10.3390/s20051408

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] 体内インプラントへの無線給電におけるWiegandワイヤの発電効率2019

    • 著者名/発表者名
      和口修平、川添駿平、酒井貴史、山田努、竹村泰司
    • 学会等名
      第43回 日本磁気学会学術講演会
  • [学会発表] 部分励磁したWiegandワイヤの磁化過程評価2019

    • 著者名/発表者名
      酒井貴史、山田努、竹村泰司
    • 学会等名
      第43回 日本磁気学会学術講演会
  • [学会発表] Wiegandワイヤを用いた小型ワイヤレス給電2019

    • 著者名/発表者名
      川添駿平、和口修平、酒井貴史、山田努、竹村泰司
    • 学会等名
      第43回 日本磁気学会学術講演会
  • [学会発表] 磁性ワイヤ・コイル分離型Wiegandセンサを用いた振動発電と等価回路解析2019

    • 著者名/発表者名
      飯島榛史、孫小雅、原和江、酒井貴史、山田努、竹村泰司
    • 学会等名
      第43回 日本磁気学会学術講演会
  • [学会発表] Battery-less device operation and wireless power transfer for sensor networks and IoT2019

    • 著者名/発表者名
      Yasushi Takemura
    • 学会等名
      The 2nd International Conference on Sensor Networks and Signal Processing
    • 国際学会 / 招待講演
  • [備考]

    • URL

      https://er-web.ynu.ac.jp/html/TAKEMURA_Yasushi/ja.html

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公開日: 2021-01-27  

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