研究課題/領域番号 |
19K21967
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研究機関 | 長岡技術科学大学 |
研究代表者 |
大石 潔 長岡技術科学大学, 工学研究科, 教授 (40185187)
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研究分担者 |
和田 安弘 長岡技術科学大学, 工学研究科, 教授 (70293248)
横倉 勇希 長岡技術科学大学, 工学研究科, 准教授 (70622364)
宮崎 敏昌 長岡技術科学大学, 工学研究科, 教授 (90321413)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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キーワード | 電力工学 / 制御工学 / 電気機器 / パワーエレクトロニクス |
研究実績の概要 |
本研究では、電力ネットワークの末端の住宅・オフィスにあるエアコンと冷蔵庫のモータ制御だけで無効電力ゼロを安全かつ低コストで達成することを目的とする。エアコンの場合、国内最低価格帯の2万円台への変更で無効電力ゼロの住宅を構成できる。これにより、電力ネットワーク末端をすべて無効電力ゼロの住宅・オフィスで形成して、低電力社会を実現する。そのためには、電解コンデンサレス単相三相インバータ(単相全波整流回路と小容量フィルムコンデンサと最小数の電力用半導体素子で構成された究極の低コストインバータ)1台で、系統電源の瞬時電流とモータ駆動の瞬時電圧の両者を同時に予測制御するという超難 解な課題になる。 この課題に対して、本研究では、電源高調波規制適合型電解コンデンサレスインバータによる埋込磁石型同期電動機(IPMSM)の駆動技術を開発する。4mH程度の系統リアクトルを付加した電解コンデンサレス単相3相インバータの瞬時電源電力制御でIPMSMの駆動を行うことで、高力率を達成させ、最も厳しいIEC61000-3-2ClassAの電源高調波規制をクリアさせることを目的にする。この目的を達成するために、2020年度は電源高調波規制を満足させる系統電源電流予測制御と無効電力ゼロを達成する瞬時電力制御系を開発して、模擬実験装置でその有効性を確認する。さらに、瞬時電力正弦波追従制御と入力電圧追従モータ瞬時電圧制御を併用し安定したモータトルク制御を実現して、模擬実験装置でその有効性を確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2020年度は、当初の計画を次の様に順調に進めることができた。本研究は3グループの研究体制で実施し、3年間で完遂することになっている。パワーエレクトロニクスグループは、電源高調波規制を満足させる系統電源電流予測制御と無効電力ゼロを達成する瞬時電力制御系を開発することになっている。モータドライブグループは、瞬時電力正弦波追従制御と入力電圧追従モータ瞬時電圧制御を併用し安定したモータトルク制御を実現することになっている。実機試験検証グループは実機試験することになっている。本研究のロードマップにおいて、上記の進捗は順調に予定どおりに進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、モータの予測電流制御を系統側とモータ側の両者において構成し、電源高調波規制を常に満足させた上、無効電力ゼロを達成する瞬時電源電力制御を、学術的にも工業的にも新しく確立する。学術的には、インバータからモータまでの従来の数式モデルに加え、インバータから電源までの数式モデルを新しく構築し、この拡張モデルに基づいた系統電源電流予測制御と瞬時電源電力制御を、1台のモータ駆動インバータで達成する新しい制御法を構築する。工業的には、広範囲なモータ駆動速度に対して、無効電力ゼロ・電源高調波規制適合・安定したモータトルク制御の3つの条件を兼ね備えた新しい制御法を確立する。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナウィルスの関係で、旅費を執行する機会は無かったとともに、部品を扱う会社が提供できなくなったのと、既存の実験装置の改良して実験ができるようになったので、次年度使用額を生じた。。次年度の予算執行は、物品購入に大きなズレを生じることはない。研究計画に大きな計画にずれは生じていない。
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