2035年以降の半導体産業は従来のSiより高移動度の材料を必要とし、その候補材料の1つであるGe半導体が注目されている。Geデバイスの出発物質には、従来は固体Ge(ウェハ)や気体Ge(CVD原料ガス)が用いられてきた。一方で本研究はそれら従来技術の延長には無い新しい材料系として「液体Ge」という概念を提案する。それは例えば塗布法による低エネルギーな製造プロセスの導入や、混ぜるだけで達成可能なドーピングなど、Ge科学の応用展開に全く新しい見通しを与える。本研究は「液体材料」という視点に立ち、Geという制御性の良い優れた材料を更に深く使い込み、それを活用するための道筋を切り拓く。
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