近年,深層学習に大きな注目が集められ,人工知能の研究が盛んに行われている.しかしながら,人工知能によって導き出された答えがいかに正しくても,現状ではその理由を説明できないと言われており,このことが実用化への障害になっている.そこで,本研究では,人工知能の安全性を保証するために,人工知能(予測器)に,数理モデルに基づくスーパーバイザと呼ばれる装置を取り付け,人工知能を管理する枠組みの開発を目指した.
今年度の成果は以下の通りである. (1)前年度までに,マルチエージェントシステムの被覆制御に対するスーパーバイザ型人工知能の開発に成功したが,本年度はその結果を合意制御へ展開することを試みた.特に,ホッピングローバーと呼ばれる惑星探査ロボットに対し,運動の不確かさの影響を軽減するスーパーバイザ型人工知能の開発を目指した.これについては準備的な成果は得られたが,スーパーバイザ型人工知能を開発するところまでには至らなかった. (2)最終年度として本研究を総括した.また,講演会で発表するとともに,学術雑誌論文としてまとめ投稿した.
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