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2019 年度 実施状況報告書

脳科学と細胞生理学にもとづく照明デザイン

研究課題

研究課題/領域番号 19K21973
研究機関京都大学

研究代表者

藤田 静雄  京都大学, 工学研究科, 教授 (20135536)

研究分担者 岩田 誠  高知工科大学, 情報学群, 教授 (60232683)
研究期間 (年度) 2019-06-28 – 2021-03-31
キーワード狭帯域光 / 発光ダイオード / 住環境
研究実績の概要

本研究は、寝室等の目的に応じた住環境の照明のデザインに向けて、特定の波長・半値幅の光を浴びた際の影響を脳科学、生理学に基づいて解析し、科学的な根拠をもとにする手法の確立を目指すものである。研究代表者の所属する京都大学では、光源の選定や設計を担当し、研究分担者の所属する高知工科大学では、光照射の効果に関する実験研究を行う。本年度は、本格的なデータ採取の基礎となる下記の検討を行った。
1. 光源として、これまでの研究に基づいて半値幅の狭いものを用いることを基本方針とした。これに用いるLED光源として、LED光を平行化した後にバンドパスフィルターに透過させるという方法で発光波長の狭帯域化を行ったものを準備し、その電気的特性や発光特性(発光スペクトル、発光強度等)に関する基本データを採取した。
2. MRI装置を用いる実験を計画しているが、MRI装置室には磁性の影響を受ける実験装置を持ち込むことができない。そこで、外部の制御室より光を装置内に照射することのできる光学系を設計・試作して体制を確立した。あわせて、実験に際して光照射を行うシーケンスについて検討し、その照射パタンを実現する機器制御プログラミングを行った。
3. 基礎実験として、高知工科大学において複数の被験者に対して光照射を行い、脳波測定を行った。その結果、特定の波長の光に関する反応を見ることができた。
4. 狭帯域赤色光の照射による細胞の活性化について、光照射後のRNA測定とELISAによる蛋白質生成に関する生化学的実験を行った。データについては解析中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究の新規性が高いことから、過去の研究例を参考にすることができない。これまでは基本的な実験方法についての準備が主であったが、これにより来年度への指針が得られたと考えている。

今後の研究の推進方策

高知工科大学において被験者を募り、本年度よりも大きな規模で実験を行う予定である。実験方法に関してはほぼ確立しえたことから、この研究は順調に進展し、データが得られる見込みである。京都大学では、実験条件の設定とデータ解析に重点を置く予定である。あわせてて、光照射による細胞の活性化についての生化学的実験について進めてゆく予定である。

次年度使用額が生じた理由

実験条件の選定に時間を要し、光照射のためのシーケンスの決定に至るまでに時間を要した。また予備実験的な段階での検討事項が多く、本格的な実験に至らなかった。以上の理由で次年度使用額が生じたが、これは次年度の早い時期で所期の目的に利用する予定である。

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公開日: 2021-01-27  

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