液晶は、本来一様な分子配向状態を形成する。本研究では、液晶内に三次元トポロジカル欠陥を意図的かつ制御して導入し、新たな液晶秩序の創成とその応用の可能性を探った。すなわち、従来、有害なもの不要なものとして排除されてきた液晶内の配向場の不整合(トポロジカル欠陥)を積極的に活用・制御することにより、これまで自然界ではごく限られた条件下でのみ現れていた液晶秩序(コレステリックブルー相と呼ばれる光学的等方状態と類似)を人工的に発現させることを目的として、局所的光配向技術を駆使して、ウォール欠陥構造の生成・安定化とそれらの電界印加による状態遷移をおこなった。
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