本研究で行った、同位体ラベリングした基質を加えた培地中で微生物(活性汚泥)を増殖させることにより、同位体ラベリングされた細胞外高分子有機物を創出し、それを同位体顕微鏡により観察しようとする試みは世界的にも全く前例がなく、極めて斬新かつ学術的にも意義が高いと評価できる。同位体ラベリングされた細胞外高分子有機物は、活性炭への吸着阻害メカニズムの解明のみならず、膜ファウリングメカニズムの解明にも適用が可能であると期待でき、大きな発展が望める。また、活性炭吸着阻害や膜ファウリングのメカニズム解明を通じ、これらの水処理技術の欠点の克服への道筋が開けるため、社会的にも大きな貢献が期待される。
|