新興病原微生物であるサイクロスポーラ原虫による感染事例は近年世界的に増加傾向にあるものの,下水処理工程での除去効果等をはじめとした水環境中での動態はほとんど明らかにされておらず,本原虫による水系感染症リスクを把握することを妨げている。本研究で開発した手法を用いることにより,水試料中のサイクロスポーラ原虫を定量することが可能となり,国内外の様々な水環境中におけるサイクロスポーラ原虫の動態解明に活用されることが期待される。さらに,水試料のみならず,野菜等の食品からの検出にも応用されることも期待される。
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