研究課題
挑戦的研究(萌芽)
本研究では,主に建物側に比べて精度が低い地震動の評価精度の向上を目指して,東北地方の超巨大地震の大振幅記録を含む多数の強震記録を用いて,深層学習を用いた強震動予測や地震動の即時評価・面的評価,さらには建物応答予測に挑戦した。深層学習は,データ数や分布に大きく依存する点に注意する必要はあるが,複雑な現象をモデル化でき評価精度向上に寄与すること,学習に時間はかかるが即時に適用可能な点は早期警報や発災後対応に有効なことを示した。
地震工学
深層学習による物理シミュレーションの代理モデル作成は,複雑な現象をモデル化できること,学習に時間はかかるが即時に適用可能な点が大きな特徴である。本研究では,単に震度予測にとどまらず,建物では高次モードまで含めた多成分の応答波形予測が可能であること,地震動では事前予測としてスペクトルの高精度評価,早期地震警報としてスペクトルの即時予測,地震直後ではスペクトルの面的評価がそれぞれ可能であることを示した。早期地震警報や発災時対応に有効と思われる。