研究課題/領域番号 |
19K22005
|
研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
藤本 郷史 宇都宮大学, 地域デザイン科学部, 准教授 (30467766)
|
研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
|
キーワード | モニタリング / センシング / 鉄筋 / コンクリート / ひずみ / 交流インピーダンス |
研究実績の概要 |
本研究では,鉄筋コンクリートのインピーダンス計測によって,コンクリートや内部の鉄筋のひずみを非破壊・非接触に推定する技術の開発を目的としている。2019年度には研究採択(7月)直後の8月から半年間の実験棟改修工事に伴う加力試験装置の使用ができなかったこと,また,その後2020年度にはCOVID-19により実験棟の立入・実験の実施が禁止・制限される状況にあり,研究期間の半分で実験不可という厳しい状況にあったが,2020年度は以下の実験・解析手法開発を進めた。すなわち,要求性能分析A-1に基づいて,繰り返し載荷,含水率,荷重などの荷重・環境条件の影響(申請計画書A-2に対応)について,電極埋設型小型試験体により検証し,周波数帯等の最適な計測条件の検討を行った。また,検査法のありかた分析(申請書B-1)に基づいて,異常検知・推定に用いる解析手法(研究計画B-2)としてスパース推定(lasso等)法を応用した手法を開発し,等価回路法に対する優位性を示した。さらに,この手法を大部材における多点化(研究計画C-1)に適用することで異常検知を実現する手法を検討した。これらの成果を生かして初年度までに実施した相互誘導方式の展開を進める予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2019年度には研究採択(採択通知7月下旬)直後の8月から半年間の実験棟改修工事に伴って加力試験装置が使用できなかった。この工事は2019年度になって決定した予期しない工事であった。また,その後2020年度にはCOVID-19により実験棟の立入・実験の実施が禁止・制限される状況にあり,2020年秋ごろまで実験実施が不可能であった。その後も,3密をさけるために実験量を増やすことができない状況にあった。解析手法の開発など,研究計画よりも進んでいる内容もあるが,全般としてはやや遅れている。
|
今後の研究の推進方策 |
試験装置を増やすなどの方策を講じて,研究速度の推進を図りたい。
|
次年度使用額が生じた理由 |
2019年度の採択直後からの年度全体にわたる実験棟工事に引き続き,2020年度には年度当初から秋口までCOVID-19の影響で実験棟に入構できない時期が研究期間の大半にわたって続き,実験に大幅な遅延が生じたため。計測機器を予定より増設するなどの方法によって,研究速度を速めて対応したい。
|