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2020 年度 実施状況報告書

中高層RC,SRC建物の新しい耐震補強方法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 19K22009
研究機関名城大学

研究代表者

市之瀬 敏勝  名城大学, 理工学部, 教授 (10151474)

研究期間 (年度) 2019-06-28 – 2022-03-31
キーワード鉄筋コンクリート / 梁断面 / 終局強度 / 破壊モード / 軸力伝達機構
研究実績の概要

阪神大震災を機に,わが国では古い基準で設計された建物の耐震補強が進んだ。東日本大震災など,近年の地震で,耐震補強の有効性が確認されたが,一部の中高層建物に関しては補強したのに大破し取り壊しを余儀なくされるケースが見られた。特に杭の被害は顕著であった。
杭頭接合部の寸法の増大などの理由から大口径の場所打ち杭や高支持力杭の普及により杭1本で柱を支持する杭基礎形式の使用が一般的となりつつある。このような1本杭を用いる場合,様々な要因により柱芯と杭芯のずれに伴う偏心が生じる。
柱と杭が1方向に偏心した鉄筋コンクリート造杭頭接合部に関する研究事例は散見される。これらの研究成果の蓄積の結果,鉄筋コンクリート構造計算規準・同解説(以下,RC規準)では,柱と杭が1方向に偏心する杭頭接合部に対してストラット・タイモデルを適用した構造設計法が示されている。一方で,柱と杭が2方向に偏心する隅柱にとりつく杭頭接合部に関する研究例は田中らの1例のみである。RC規準では,柱と杭が2方向に偏心する杭頭接合部に対してストラット・タイモデルを適用した構造設計法が示されるものの,その評価方法が合理的でないこともRC規準に併せて記述されている。
本研究では,柱と杭が水平2方向に偏心した杭頭接合部を対象とした有限要素法解析を実施した。その結果,本研究のモデルでは,基礎梁断面形状の違いに拘わらず柱脚直下の杭頭接合部コンクリートの圧縮破壊が確認された。内部応力状態を検討した結果,杭頭接合部の内部では柱から杭にかけて柱芯付近を伝達する圧縮力および柱から杭と両側梁の境界付近を伝達する圧縮力の2種類の応力伝達機構の存在が確認された。また,杭頭接合部内において基礎梁断面形状の差異に伴う鉛直圧縮力の負担状況の差異が確認された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初は期間内に実験を行う予定であったが,新型コロナウイルス感染症の拡大により,人の移動が制限されたため,実験の準備に手間取ってしまった。そこで,やむなく有限要素法解析により数値計算を積み重ねることにした。上記概要に書いた通り,数値計算だけでもかなりの成果が得られたことは不幸中の幸いであった。

今後の研究の推進方策

実験の準備は最終段階に入っており,令和3年の夏には実験が終了する予定である。秋からデータの整理と論文の執筆にとりかかりたいと考えている。

次年度使用額が生じた理由

当初は期間内に実験を行う予定であったが,新型コロナウイルス感染症の拡大により,人の移動が制限されたため,実験の準備に手間取ってしまった。実験の準備は最終段階に入っており,令和3年の夏には実験が終了する予定である。秋からデータの整理と論文の執筆にとりかかりたいと考えている。したがって,令和3年度中に残額すべてを使用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] 柱と杭が水平2方向に偏心する杭頭接合部の非線形FEM解析2021

    • 著者名/発表者名
      鈴木 卓,市之瀬 敏勝
    • 雑誌名

      コンクリート工学年次論文集

      巻: 43 ページ: -

    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2021-12-27  

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