研究課題
挑戦的研究(萌芽)
古い鉄筋コンクリート(RC),鉄骨鉄筋コンクリート(SRC)建物には耐震性に劣るものが多く,耐震補強が施されてきた。2011年の東日本大震災では,多くの耐震補強の有効性が確認されたが,中高層RC, SRC建物では,ひずみの集中のため大きな破壊が生じる例が散見された。本研究では,引張ひずみが分散するような追加補強を提案し,実験によってその有効性を確認した。補強試験体は変形角2%という大変形まで紡錘形の履歴ループを示し,地震エネルギーを吸収できることが確認できた。
工学、建築学
耐震性の低い中高層RC, SRC建物は世界中に数多く存在する。本研究で検討した破壊(ひずみ集中)は,国際地震工学会のジャーナルで論文として紹介され,日本だけでなく海外どこでも起こり得るものとして注目された。なお研究代表者はこの論文の共著者である。今回提案した補強方法は,ひずみの集中を防止し大きな地震エネルギー吸収能力が可能になる。しかも施工コストは高くないと推察される。したがって,今後,全世界での適用が期待される。