研究実績の概要 |
サブテーマ毎に説明する. (1) 衛星位置ごとに定まる観測データ信頼度情報の創出とそのデータベース化に関して,レーダーシャドウ領域の抽出は,開発したプログラムを通常のDEMデータに適用して得られた結果の妥当性の検証は,DEMデータから抽出した尾根線と衛星位置を利用すると実施可能と考えられる.尾根線は,地上開度と地下開度の組み合で得られると考えられるが,既存の地上開度と地下開度計算手法は精度と信頼性が不十分なため,CG技法を応用した高速・高精度な開度計算手法を開発した.研究成果を国内で口頭発表し,国際会議でも発表した.DEMデータ水部への適切な標高値の付与は,レイ・オーバを生じる領域の抽出の前段階として,国土地理院提供DEMデータにおける水部の属性を考慮して適切な水面の標高値を得るための手法を開発し,国際会議で発表した. (2) 災害危険度の高い地域毎に時系列に蓄積された衛星SARデータを中心とする自然災害発災識別器用データベースの構築に関して,ハザードマップから得られる発災判定小領域を単位とするデータベースの構築手法考案は昨年度完了し,今年度は新しい観測データを入手してから発災判定小領域毎のデータベースをアップデートするまでの処理を自動化する方法を検討した. (3) (1), (2)を活用して高信頼度の発災可能性を高速に判定可能な自然災害発災識別器の開発に関して,衛星SARデータを用いた変化検出法に基づく発災検出法において,災害による変化と非災害変化をスクリーニングするための畳み込みニューラルネットワーク(CNN)適用の際の問題点の解決手段について,ノイズを含むデータに対応する学習法に着目し,その改良による識別性能向上に関する知見を発表した.また,多様な光学衛星が取得する光学データに着目し,光学データからの補足的な災害関連情報の抽出を検討し,得られた知見を発表した.
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