高融点純酸化物の代表格であるMgO(融点2977℃)は、工学的観点からは製錬におけるスラグの主成分、ガラスやセラミックの重要成分であり、理学的観点からは地球内部のマントルを形成する主成分であるにも関わらず、融点の高さから純物質の熱物性は未だに実測値が無い。現状では、低温でも溶融する混合物の熱物性値から外挿して推定されている。本研究では、無容器測定を実現する浮遊帯域溶融炉(Xeランプ四楕円型帯域溶融炉)を用いて、懸滴法によってMgOを含む高融点純酸化物の熱物性(密度、表面張力)を直接測定することに成功した。
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