研究課題
挑戦的研究(萌芽)
多光子励起過程を利用したGaN結晶の貫通転位の非破壊解析について検討し、以下の成果を得た。多光子励起フォトルミネッセンス法を用いて貫通転位に対応する暗線の性質を調べたところ、暗線の伝搬方向やコントラストに特徴があることが分かり、これらを指標として5種類に分類・識別できることが分かった。ラマン分光測定によりこれらの識別の妥当性を明らかにした。ハイパーラマン散乱の選択則からE1モードを検出できることが分かった。
結晶工学
結晶欠陥の非破壊評価手法は次世代半導体の高品質化の開発だけでなく、デバイスの信頼性評価においても重要な役割を持つ。多光子励起過程を用いた結晶評価技術は、試料を加工することなく内部の欠陥を評価できることから、評価後の試料をデバイスプロセス等に利用することができ、スループットの向上や解析に係る時間の短縮につながる技術である。本研究で得られた成果を基に非破壊で結晶欠陥の識別や分類ができることで、キラー欠陥の特定につながることを期待している。