一般的に遷移金属イオンを含有するガラスは光の吸収が強く失透する。我々は遷移金属イオンを高濃度に含有するにも関わらず可視域で透明性を有する結晶化ガラスを見出した。本研究では特異な性質を示す鉄とマンガンイオンを高濃度に含有するガラスの、結晶化と光学的物性および電気的特性を明らかにし、特異な光透過性と微構造との関係を明らかにした。さらにこれらのガラスには赤外域に強烈な光吸収を有することから赤外レーザーでの加工が容易であることを発見した。ナトリウムイオン電池の活物質として機能するリン酸系ガラスに適用したところ、従来よりも低閾値で結晶化することを発見した。これらは全固体電池の創製に資する成果である。
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