異方性の顕著な結晶中に存在する多価陽イオンは、ある特定の結晶学的な一次元方向であればその方向に比較的容易に伝導し得るのではないかと推察し、結合原子価(Bond Valence)法を用いて、Ca2+イオンが<101>方向に一次元的に伝導可能な結晶構造型の候補としてグロサイト型化合物を見出した。イオン伝導度を定量的に評価するためにランダム配向多結晶体を作製した。723から1073Kへの温度上昇に伴い、後者のバルク伝導度は1.26×10-7から4.40×10-5Scm-1に増加した。これらの伝導度は、Caイオンが3次元的に伝導するNASICON型化合物のCaZr6(PO4)6の伝導度より優れていた。
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