本研究は,無機の『未知化合物』を系統的に発見するための方法論を構築し,実際に合成・解析実験によって存在を確認することを目的に、様々な物質に対して多岐にわたるパラメータを系統的に変えた合成実験を行い,成功データだけでなく失敗データをも系統的に収集した.この結果をスコア化し,効率的なテンソル分解法を活用して,成功確率が高いと予測された実験条件で検証実験を行い,2つの新物質を発見した.このように,データ科学に基づいて新規な無機化合物発見を志向し機械学習と実験を組み合わせた研究は世界的にも例を見ず,新物質や材料機能探索にマテリアルズ・インフォマティクスを活用した重要な試金石を与えることができた。
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