研究課題
挑戦的研究(萌芽)
嫌気性条件での低温混合による新物質合成について研究した。超酸化カリウム(KO2)と金属ハロゲン化物ならびにポリエーテル溶媒を混合したが、室温条件でも溶媒とKO2の分解が推測された。無溶媒での反応の研究を継続する。上記の知見をもとに、KO2を用いない新しいポリエーテル系電解液を検討し、(I)平滑アルミニウム電析(II)プロトン性溶媒和イオン液体における高速プロトン伝導(III)短鎖ポリエーテル系初の高速リチウムイオン伝導の3つの成果を得た。
無機材料科学
超酸化物という耳慣れない物質についての理解を深めた。特にポリエーテル溶媒との反応性についての知見が得られた。ポリエーテル溶媒を用いるイオン性溶液についての理解も深まった。結果として本研究は当初予期していなかった展開を見せた。具体的な成果として、室温アルミニウムめっき液、高速プロトン伝導体、高速リチウムイオン伝導体の3つの新材料の発見に至った。これらは次世代めっき材料や次世代エネルギー材料として期待される。