未知物質を効率的に探索するために、第一原理計算による熱力学的安定性の評価は有効である場合があるが、未知物質の初期構造が不明であるため系統的な評価は困難であった。本研究では、結晶構造データベースにある全プロトタイプ構造に対して33の陽イオンと酸化物イオンからなる仮想的な擬二元系酸化物モデルを作成し、第一原理計算による形成エネルギーの評価を行った。結果的に、既知物質の多くと同様に形成エネルギーが低い、つまり合成可能性の高い未知結晶構造が多数存在することがわかった。本研究によりスクリーニングした結晶構造を優先的に合成することで物質探索効率を大幅に構造出来ると期待される。
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