ゾル-ゲル法によりSi(100)ウェハ上に作製し、600~1000℃で焼成して作製されるチタニア結晶薄膜、セリア結晶薄膜、シリカガラス薄膜の面内引張残留応力ならびに基板のソリが、室温での静置過程で時間とともに減少することを見出した。すなわち、このような高い温度で焼成して安定と見なされる酸化物薄膜においてさえ、残留応力と基板のソリが時間に対して安定でないことを、実験的に示した。この原因を明らかにすべく加えた結果、大気中の水の吸着ないし吸収により膜が膨張することが原因であることがわかった。ただし、シリカ膜においては、水の吸収による構造緩和を原因の一部として排除できないことも明らかにした。
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