従来の相変化畜熱材料(Phase Change Material:PCM)は、固体-液体変化を利用するため、カプセルやタンクが必須で、機器への組み込みや、媒体との熱交換に問題があった。本研究では固体の電子相とその相転移を利用して全固体PCMの開発に取り組んだ。電子相の秩序変数の自由度を利用することで、基底状態での電子相関に匹敵する潜熱を取り出せる可能性があることがわかった。また、電子相の特徴ゆえに難焼結性を示すVO2において焼結性を改善し、高強度と高い熱密度を両立した。この結果、バルク体に直接流路を形成し再生畜熱動作が可能であることを示した。
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