有機分子修飾無機固体/有機溶媒界面の親和性の評価指標として付着仕事を定め,分子動力学シミュレーションと熱力学的積分法の一つであるPhantom-wall法を併用した付着仕事の解析法を確立した。無機固体をAl2O3とし,界面の分子構造および付着仕事に及ぼす修飾有機分子および有機溶媒の種類,表面修飾率の影響を検討した。デカン酸(修飾有機分子)/ヘキサン(溶媒)系の付着仕事は,界面構造に起因して表面修飾率75%で最大値を示した。修飾有機分子および溶媒の影響については,修飾分子層への溶媒の浸透度の増加とともに付着仕事が増加することがわかった。
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