本研究では、二酸化チタン(TiO2)上での水素スピルオーバー現象を利用し、Co、Ni、Cu、Ru、Pdから成るハイエントロピー合金ナノ粒子担持触媒を開発した。水素昇温脱離測定、X線吸収微細構造等の結果より、TiO2上では5種類の金属前駆体が同時に還元されていることを示した。また、電子顕微鏡観察よりナノ粒子の平均粒子径は2ナノメートル程度であり、そのナノ粒子内で5種類の金属元素が均一に分散していることを確認した。 触媒性能を、二酸化炭素の資源化反応にて評価したところ、長時間反応においてもその粒子径はほとんど変化せず、単一の金属のみを担持した触媒に比べて極めて高い耐久性を示した。
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