本研究では,非酸化物セラミック材料として,耐熱性・耐化学薬品性に優れる炭化ケイ素に着目した。Allylhydoridopolycarbosilane(AHPCS)を前駆体として用い,不活性雰囲気で500℃から800℃で焼成することで,炭化ケイ素系非酸化物セラミック膜が分子篩性を示すこと,さらにその細孔径が焼成温度で制御可能なことを明らかとした。さらに,400℃水熱条件下で長期間にわたり安定している可能性を明らかとした。これまでに非酸化物セラミックによる分子ふるい膜の開発と水熱安定性評価の研究例は報告されておらず,本研究の新規性は高いだけでなく,今後の応用展開が期待される。
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