炭素のみから成るカーボンナノチューブ(CNT)は、貴金属などのように原料の枯渇の懸念がなく、強靭でありながら高い電気伝導性や熱伝導性を持つことから産業応用が期待されているものの、効率よく合成する手法や機能を引き出す構造制御に課題がある。本研究ではCNTの成長が自発的に停止してしまう問題に着目し、原因を突き止めると共に、それを解決する新たな手法を開発した。これまで2 cm程度が最長であったCNTフォレストの合成を14 cmまで持続させることに成功し、大量合成などにつながる新たな知見が得られた。今後更なる技術開発により、持続可能な社会における重要な素材として使われる材料になることが期待できる。
|