本研究の成果により、従来技術では観られなかった生細胞内部のナノ現象が観察できるようになる。これにより、従来間接的な計測結果から予想されてきた細胞内現象の発現機構やそれが関係する疾患の機序を直接観て確認できる。また、従来、細胞外での再構成系で多数のAFM計測が行われてきたが、それが本当に細胞内で生じているのかは、しばしば疑問視されてきた。これらの現象を直接細胞内で観察できれば、過去に報告されてきた膨大な量のAFM実験結果に関して、この疑問に対する解答を与えられる。こうして明らかになった細胞機能や疾患機序の理解は、将来、創薬・医学の発展を通じて、人類の健康増進に寄与することが期待される。
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