本研究は、赤外自由電子レーザー(Free electron laser: FEL)を光源とした新たなパルスレーザー堆積法を確立し、有機物薄膜を高品質に成膜させる技術を創出することを目的に進められた。ターゲットを設置したチャンバー内に赤外自由電子レーザー光を導入し、薄膜を形成する実験を行った。照射波長および照射時間を系統的に変えながら、アブレーション条件下で成膜を行ったところ、平均膜厚100nm以下の有機薄膜を形成することに成功した。FELを用いたパルスレーザー堆積法による成膜が可能であると結論づけるとともに、その成膜のための諸条件を明らかにすることができた。
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