低温超高真空STM装置を用いた原子操作により、人工的なトポロジカル相形成を目指した。Cu(111)面上にCO分子で分子グラフェンを形成し、armchair端・zigzag端それぞれの位置でトンネル電子分光を行なったが、エッジ状態に対応する有意な差は観察されなかった。次にマヨラナ束縛状態の創出を狙って、Pb(110)面上にFe原子の一次元構造の形成を試みた。原子分解能が得られトンネルスペクトルに超伝導ギャップが観測される表面上で、Feの孤立原子の操作に成功したが、この系ではFeとPbの結合が強すぎて容易にdimerが形成されることが判った。より理想的な系を探索すべく引き続き実験を行なっている。
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