研究課題
挑戦的研究(萌芽)
光渦と呼ばれる空間モードに特徴をもつ光波の分離選択性を活用し、半導体面発光レーザーに対する空間位相変調分光と銅酸化物高温超伝導体に対する同軸時間分解分光を開発した。前者に対しては共振器の幾何学位相にもとづく空間モード変換を使って、らせん位相の方向(カイラリティ)を選択可能な光渦発振を実現した。後者に対しては光渦ビーム内部の強度暗点の空間走査により、暗点部に局在した過渡的超伝導の時空間制御を実現し、高温超伝導体の光学応答の空間的特徴を明らかにした。
光物性
らせん状の波面を持つ光渦は、その特異的な空間モードカイラリティにもとづいて複数光波を分離したり重ね合わせたりできる。本研究ではそのような光渦の空間特性を時間分解分光に活用し、従来は不可能であった空間位相変調や時間変調、特異点走査を半導体レーザーおよび高温超伝導体に対して実現した。得られた成果はデバイス機能開拓や物性探索に対する光波の空間モードカイラリティ利用の有効性を示しており、光源開発やイメージング、ナノデバイス応用につながる。