物質と光との電磁相互作用を原子レベルで直接測定できる装置が開発されれば、光科学や表面科学、材料科学、生物科学など多くの分野で革新的な研究手段になることは間違いない。本研究は、物質表面の構造と振動準位を原子分解能で観察可能な次世代の近接場ラマン光学顕微鏡を開発すると共に、その観察条件を解明することを目的とした。高分解能なラマン光学顕微鏡が開発されたことにより、これまで知ることのできなかった物質と光との原子スケールの相互作用を直接測定できるようになった。得られる知見は、光学材料の機能発現機構を解明することを容易にし、物性科学において極めて重要な学問領域であるナノフォトニクスを大きく進歩させる。
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