本研究では、二つの環状Znポルフィリンダイマーと一つの環状Ruポルフィリンダイマーからなる[3]カテナンを合成し、Zn及びRuポルフィリンと窒素系配位子との配位結合を活用することで、環状分子の運動性に対する多状態制御の実現を目指した。その結果、環状Znポルフィリンダイマーの内部空孔に、二座配位子である1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)を介してRuポルフィリン誘導体が貫通した構造を持つ[3]カテナン1の合成に成功した。得られた1は配位結合を介して、構成要素となる全ての環状分子同士が連結しており、環状分子の運動性が大きく制限されている。
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