研究課題
挑戦的研究(萌芽)
アルコキシチタン錯体に可視光を照射することで、イソプロピルアルコールを水素原子供与体に用いて、触媒的にベンジルアルコール類からベンジルラジカルを発生させ二量化する反応を開発することができた。本反応は従来の金属還元剤を用いる手法に代え、安価で取り扱い容易なアルコールを水素原子供与体として用いた新しい形式の3価のチタン種を活性種とする触媒反応であり、3価のチタン種を利用する有機合成反応に新たな可能性をもたらすものである。
有機合成化学
本研究は、光照射下、入手容易なアルコールを水素原子供与体として用いることにより、活性種として有用な低原子価チタンの新しい触媒的発生法を実現したものである。低原子価チタン種は有用な一電子還元剤として広く利用可能であり、特に本反応ではさまざまに配位子の設計が行え、可視光エネルギーも利用可能であることから、今後廃棄物の少ないさまざまな物質合成に展開できるものと期待できる。